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2008/12/09

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ウェブ版ニューヨークタイムズの進化:情報組織化の方法は見通せる?

紙メディアで発展してきた新聞社はいろいろな試行錯誤を重ねてインターネットへ活動領域を広げてきています。そのさきがけの1つニューヨークタイムズが、Times Extraという新しい機能を追加しました。今までニューヨークタイムズは表玄関とも言えるウェブサイトのほかに、あたかも第三者が運営しているかのように見せていた裏玄関Annotated Newyork Timesを運営していましたが、表玄関からすっきりと裏玄関まで見通せるように改装した形です。

詳細はこちらから。

Times Extra
http://www.nytimes.com/marketing/timesextra/



ニューヨークタイムズがニュースアグリゲーションサービスであるblogrunnerを買収したのは2005年のことでした。その後ニュースアグリゲーションサービスはAnnotated New York Timesとして、本体とは切り離された運営されてきていました。このサイトでは、ニューヨークタイムズの各記事に関するブログや関連する他の新聞などの記事などを集め、1つに束ねて提供していました。権威あるニューヨークタイムズにとっては、集めるブログや新聞サイトなどをどのように決めるかという点が難しいところで、これが今までこのサイトを別けていた理由のようです。Times Extra
の開始は、アグリゲーション技術の進歩、選定の成熟、ウェブ文化の発展などにより、この点がニューヨークタイムズの権威を傷つけるものにはならないという判断があったものと思われます。

これでNew York Timesの透明性が一段と増した、と思います。

ニューヨークタイムズについては、以前、ウェブコンテンツの有料化の流れの中で、Times Selectを始めたときにががっかりしました。これは価値がある情報を有料サイトの中に囲い込むことで、インターネット上で情報の販売を通じて収益をあげるのが狙いでしたが、結果としてニューヨークタイムズの影響力が落ちたようで、2007年9月に停止され、コンテンツがオープンになりました。

一方でGoogleなどのランキングなどもぐぐっと押し上げたのがTimes Topicsで、これはニューヨークタイムズが貴重な調査の道具であることを考えると、とてもすばらしいサービスです。14,000以上の主題について、1981年までの記事を主題ごとに並び替えて表示してくれるので、1つの話題の情報収集が本当に楽になりました。機能も充実していて、主題ごとにRSSやeメールで新着情報を把握することができますし、主題ごとのアーカイブを対象に検索できるので、情報量の大きい主題の調査も容易です。例えば私は、"Libraries and Librarians"、"Library of Congress"、"Archives and Records"などを、RSSリーダーに読ませています。

さてさて、図書館屋としては、これらのサービスを実現するための情報組織化の方法を考えてみると面白いとおもうのですが、どうでしょうか?
 

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