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2009/02/11

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図書館の資金調達とGuideStar

米国の企業財団、個人財団などは、環境、教育、福祉など各分野の非営利団体に豊富な資金提供を行っていますが、彼らが提供先として団体を選ぶ際に使用するツールの1つに、GuideStarがあります。現在170万団体ほど非営利団体がこのデータベースにプロファイリングされており、年間のアクセス数は1000万件以上で、この分野では並ぶもののないデータベースとなっています。米国の公共図書館も多くが登録・参加しており、彼らにとっても重要なツールとなっています。

詳細はこちらから。
 
GuideStar
http://www.guidestar.org/
 


米国の図書館は、米国の他の非営利団体と同様に、実に積極的に、独自に資金調達を行っています。税金を核とする安定した財源を運営資金にあてる一方で、コンピュータを導入するのにも、貴重資料をデジタル化するにも、夏の読書プログラムを提供するにも、いいサービス、いいプログラムを提供するために、個人、企業、政府からの資金調達の道を探っています。図書館情報学の講義においても、資金調達は非常に熱心に扱われるトピックで、助成金を申し込むための企画書を書きなさいというような課題も、頻繫にでます。例えば、見聞した限りでも、例えば、

  • 新規の成人向けサービスを設計しグラントプロポーザルを書きなさい
  • 環境変化にさらされている大学図書館の運営者になったことを想定してグラントプロポーザルを書きなさい
  • 古文書の保存とマイグレーションを計画しグラントプロポーザルを書きなさい
などなど、現場を反映した実践的なレポート課題がだされています。

資金提供者の検索を助けてくれるツールも充実しており、などのほか、地域レベルでのオンラインツールなども存在し、図書館の資金調達に活用されています。地域レベルのツールとしては、例えばペンシルバニア州ではPennsylvania Foundations Onlineなどがあります。
 
このような、お金をもらう側からの能動的アプローチのほかに、お金を出す側からもアプローチがあることもあるようで、図書館も積極的に情報を提供しhttp://www.blogger.com/post-create.g?blogID=6237320561431042442、受動的な資金調達の機会をまっています。情報提供の1つは、自分のところのウェブサイトで、年報やニュースレターや各種の寄付受付の情報を提供しています。もう1つは、国レベルの非営利団体情報のポータルともいうべきGuideStarへの情報提供があります。例えばピッツバーグの公共図書館Carnegie Library of Pittsburghも、ミッションや活動内容の要約などの情報を提供し、資金提供先として選ばれるようアピールしています。図書館によっては、図書館友の会や、図書館基金として情報を提供していることもあります。正確にどれだけの図書館がGuideStarに情報を提供しているのかわかりませんが、数千館はあるようです。(正確な数はコード検索をすれば抽出できるとおもうのですが、カテゴリーが、Library, Library Scienceと大きなくくりになっていいるので、ちょっとめんどい・・・)
 
非営利団体が安全な資金を安定して獲得できることは、非常に重要なことだと思います。GuideStarは、それを実現する上で大きな役割を担っており、図書館にとっても、図書館が寄付先として認知してもらい、さらに決定してもらうための、重要な媒体の1つとなっているようです。
 
参考:
GuideStar バズ・シュミット氏来日セミナー (国際交流センター)
http://www.jcie.or.jp/japan/cn/n02/guidestar.html
 

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