北米の研究図書館には、50機関ほど東アジア(いわゆるCJK-China,Japan,Korea-)のコレクションをもつ図書館があります。大学図書館にある東アジア図書館は、東アジアに関する研究者、留学生、そして様々な情報ニーズをもつ学生たちにサービスを提供しています。また、米国議会図書館、ニューヨーク公共図書館の東アジア資料室は歴史を感じさせるもので、部屋に入るとそれだけで感動を覚えるほどの場所です。
そんな東アジア図書館の1つ、ワシントン大学(セントルイス)の東アジア図書館を、先日訪ねてみました。
詳細はこちらから。
Washington University Libraries: East Asian Library
http://library.wustl.edu/units/ea/
ワシントン大学と邦訳される大学は、現在、ワシントン州シアトルにあるUniversity of Washington(U.W. ユー・ダブ)と、ミゾーリ州セントルイスにあるWashington University(Wash U ワッシ・ユー)の2つがあり、いづれも東アジア図書館をもち、日本人ライブラリアンが活躍しています。今回訪ねたのはワッシ・ユーのほう、ワシントン大学(セントルイス)です。
セントルイスは、大陸横断鉄道やルート66などが通る、西への交通の要所として発展を遂げてきました。その歴史を象徴する全米一の高さを誇るモニュメント、ゲートウェイ・アーチがあります。ワシントン大学(セントルイス)は、アーチのあるダウンタウンの西側の地区にあり、美しいゴシック調のキャンパスをもつ大学です。
ゲートウェイ・アーチ
ワシントン大学キャンパス
数年前に改築されたオリン図書館(中央図書館、John M. Olin Library)
東アジア図書館
広大なキャンパスの一角の、同じ色調のたてものの一角に東アジア図書館はあります。オリン図書館からは徒歩3分ほど離れた別の建物です。外から一見すると小さそうですが、中に入ると外観以上に格調高き内装に目を見開いてしまいます。
所蔵数は、書籍、製本済み雑誌だけでおよそ15万冊、その他CD-ROM、マイクロフィルム、マイクロフィッシュなど様々な媒体の資料を所蔵しています。中国語、日本語、韓国語で書かれた資料がほとんどで、英語で書かれた東アジア関係資料は、オリン図書館のほうにあります。
閲覧室と向かい合うようにある開架書庫には、仏教、文学関係をはじめとする日本語資料がそろっているほか、なぜか、誰かが寄贈したのか、”夏子の酒”もそろっていました。
東アジア図書館は、主にワシントン大学(セントルイス)の東アジア研究の研究者に対してサービスを提供していますが、この美しく格調高い内装は学生にも愛され、東アジア研究とはあまり関係のない学生たちも多く勉強をしにくるそうです。確かに、こんな図書館がそばにあれば、ずっと居続けたいとおもいます。
感想とお礼と
北米の東アジア図書館のその豊かな姿は、まだまだ日本の図書館からは見えていないものだとおもいます。私自身、こちらにくるまでは話には聞けどイメージのわかない世界でした。幸にもいままで数館の東アジア図書館を訪問する機会を得てきましたが、1館訪問するごとに、その豊富な資料、優秀なライブラリアン、全米に広がるネットワークなど、その豊かな姿に感動が深まっていきます。
実はこの訪問は、この1月から東アジア図書館に就職され、ライブラリアンとしてのキャリアをはじめられた田中あずささんを訪ねてのものでした。まだ就職して間もない時期での訪問にもかかわらず、すでにいろいろと勉強されていらっしゃり、刺激になりました。いろいろとお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。この豊かな文化を伝えるべく、どんどん情報発信をしていってほしいとおもいます。これからのご活躍を期待しております。
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