デンバーで開催されるALA冬季大会への道。今回はまだ見ぬシカゴをスルーして、イリノイ州で一番最初に開館した、ということになっている、ロックアイランド公共図書館を訪問しました。
詳細はこちらから。
Rock Island Public Library
http://ripl.lib.il.us/
ロックアイランドは、ミシシッピ川中流域の町。この地域には、ミシシッピ川をはさんで、南側にイリノイ州のロックアイランドとモリーン、北側にアイオア州のダベンポート、ベッテンドーフがあり、全体をクワッド・シティと呼んでいます。
寒い寒いこの季節、ミシシッピ川も厚い氷で閉ざされていました。
ロックアイランドは、1850年代に川向いで産業も文化も発展を遂げたダベンポートと競争するように、図書館作りの声があがり、その後紆余曲折を経て、1872年11月25日、イリノイ州で最初の公共図書館として”開館”しました。この時期イリノイ州全体で図書館設立が相次いで行われており、図書館の理事会を最初に設置したシカゴ、図書館を最初に”設立”したエルギンをはじめ、セントルイス、モリーン、オレゴンなどが、イリノイ州の法制度のもと、競って図書館設立を進めていました。その中で最初に開館にこぎつけたのがロックアイランド公共図書館でした。
1872年11月25日の開館とともに、うら若きエレン・ゲイルが図書館長のポジションにつきました。彼女は、その職を退く1937年まで実に64年間、開館時の資料構築、70年代後半のデューイ十進法の導入などの基礎がために始まり、世界恐慌の時代にも最良の資料を市民に提供するために、この職で尽力し続けました。
入り口正面に、現在の経済危機の中、大統領としての職務をいよいよスタートさせたオバマ氏のコーナーがあるのが、印象的でした。アメリカの多くの公共図書館でみられるコーナーですが、エレン・ゲイルの意思を静かに引き継ぐ図書館員が選び、ディスプレイしたのだと思うと、特別な意味があるように感じてしまいます。
未来を生きる子供たちの使う児童室は地下1階にあります。地下1階といっても、この図書館は斜面にたっているので、あかるい窓から光が入り、ライブラリアン手作りのディスプレイで飾られたたのしい雰囲気たっぷりの児童室です。たのしくたくさんお話をしてくれたので、記念に写真を撮らせていただきました。13年この部屋を担当し、今の部屋の選書から飾り付けまで、1人で切り盛りしてきたそうです。カウンターの右下に返却ボックスがあり、節約した時間分子供たちと会話を楽しんでいるそうです。
(右手前に見えるの教育用コンピュータゲーム。貸出し用)
ミシガン川のほとりの北の大地の図書館。あたたかい図書館員に支えられ、ゆったりと進化しているように感じました。
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