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2008/12/05

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米国第110回議会に提出されている子どもの保護に関する法案を理解する

米国第110議会には、インターネット環境における子供の保護に関して、Kids Act、Safe Act、V-Chip for the Internet、SAFER-NET Act, Internet Safety Education Actなど数多くの法案が提出され審議されてきています。これらの法案について、2008年2月26日までの段階で言論の自由との兼ね合いから論点を整理している資料として、Center for Democracy & Technologyが独自に分析し、公表している資料があります。

とにかく何でもいいから守ってくれ!と心では思いますが、むやみやたらと効果のないことをやってもしかたがありません。結局教育が重要だ、という結論に落ち着くのですが、教育を任された親や先生はどう考えたらいいのでしょう。。米国議会でもまだまだ議論は混乱中のようで、論点が浮き出てきていて役に立ちます。

詳細はこちらから。

Child Safety and Free Speech Issues in the 110th Congress
Updated as of February 6, 2008
http://www.cdt.org/speech/20080206freespeechincongress.pdf

この分析では、まず第2節で、インターネットに関連して懸案になっている子どもの保護の4領域についてレビューしています。4領域とは、米国の法律で明らかに違法となる子どもポルノ、わいせつ情報、違法とはならないものの子供にとっては有害にあたると考えられる情報、そして子どもを狙うプレデターです。子どもの保護と一言でいってもいろいろな問題がありますので、大きく分類して考える必要がありますが、このわけ方は現状を踏まえた的確なものかと思います。

次の第3節では、議会の諮問機関の報告書をレビューし、政策及び憲法上の問題点を整理しています。この報告書とは、1998年に成立したCOPA(Child Online Protection Act)を受けて設立された諮問機関“COPA Commission”の報告書と、これとは独立の、国立科学アカデミーに諮問されて同機関が提出した報告書の2つです。両報告書とも、(1)インターネットのグローバルな広がりのために、刑法その他の直接的なコンテンツの規制が十分には機能しないこと、(2)法的規制よりもむしろ、フィルタリングソフトや他の技術を活用して、教育・親権者をサポート(権限付与)することが有効であること、を共通の結論としています。

さらに第4節では、議会での立法を通じてできる有効な手段を、第110議会に提出された法案を分析し、探っています。ここでは、Kids Act、Safe Act、V-Chip for the Internetなどを憲法違反などの問題を含んでいる可能性がある法案と、SAFER-NET Act, Internet Safety Education Actなど、合憲と考えられる法案に大別して解説しています。
 
タイトルだけ見るといかにもいいことをしてくれそうな法案たちですが、いろいろと問題をふくんでいるものです。よくあることですが。
 

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