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2009/01/26

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ALA冬季大会2009二日目:Reference Extract プロジェクトについて、ランケス教授の話を聞いてきた

レファレンスサービスの記録などを活用してより信頼性の高いサーチエンジンを作ろうという構想を描いているReference Extractプロジェクト。ALA冬季大会のOCLC Question Pointのプロデュースで、プロジェクトの中心人物であるシラキュース大学情報学校のDavid Lankes教授のプレゼンテーションが行われたので、会場にいって話を聞いてきました。
 
詳細はこちらから。
 
Multilingual, Multinational Networks and Reference Extract
http://blip.tv/file/1701683
 
プロジェクトの要約を聴いた瞬間に、「まぁ、無理だよね。」という反応になるような気がします。私もその部類ですが、彼の大きなアイデアが現実的かどうかは別として、いつもそこから何かスピンアウトして現実になるものがあるような気がして、楽しみです。そんな要素を今回のプレゼンの中にも探してみました。
 
話の内容はまっすぐで、Reference Extractが何であるのか、そして何故とりくまなくてはならないのかを語るものでした。

何?
レファレンスサービスなどにおいて、図書館員は、信頼のおける情報提供を行っていますが、その営みを、大手の検索エンジンがやっているように、トポロジーとして捉えて、それを検索エンジンに適用しようということのようです。開発するのはこのトポロジーエンジンの部分で、これをAPIによって他のものにつなぐことを考えているようです。(私はシステムのことはよくわかりませんが。。。間違って理解してたら教えてください。)
 

 
具体的な提供方法はいろいろと考えられると思いますが、例えば・・・

1)普通の検索エンジンのように提供する方法


2)大手の検索エンジンに図書館員がつかっている情報源だということを示したり、ランキングに影響したりする方法


3)OPACの検索画面などに、図書館員がつかっている情報源だということを示し、さらに関連する外部の情報源を指し示す方法

 
インターフェースはもちろんこの段階で洗練されているはずはありませんが、結構現実的に使えそうな印象があります。
 
なぜ?
プレゼンでは、図書館員が”信頼のおける”職能集団であることを強調していました。「ベンチャーキャピタリストも、学者も、CIOも、ブロガーも、答えをいうけれど”信頼できない”という評価があり、それに対して図書館員が”信頼のおける”情報プロバイダーであるというのは、様々な研究でいわれてきている」ので、「その評価を追い風にして機械的な検索エンジンの信頼性向上に寄与していってもいいじゃないか」という論理展開でした。この主張は、ある程度うなづけるところはあります。
 
感想
個人的には、このようなトポロジーエンジンにより検索エンジンやOPACにアクセントをつけることは、情報検索者の批判的な情報解釈と自律的な情報収集を促すとおもうので、なかなかいいと思います。特にOPACの検索結果へ結びつける仕組みは、次世代OPACの開発状況をかんがみると、表示を工夫すればなかなかおもしろいとおもいます。
 
Question Pointを通じてそのKnowledge Base(Q&Aデータベース)が存在し、そのデータが使用しうること、さらに次世代カタログで図書館員などによる解説などの自由記述が増えていったりすることを考えると、あながち夢のような話ではないかもしれません。国立国会図書館のレファレンス協同データベースなどのデータ活用にもなにか示唆を与えるかもしれませんね。
 
Thanks to Dave,
Thank you for your allowing me to use the capture of your presentation on my blog.

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