この調査は、ニューヨークのマークル財団の資金により中国社会科学院が行ったもので、提供しているPew Internet & American Life Projectによると「中国の全ての世論調査と同様、この調査も調査対象者も政府に承認されなくてはならず、また西洋人が期待すると思われる検閲などのトピックについては調査されていない」ものの、「じっくり見ていくと中国人の、いくつかの慎重を期する問題に対する見方が明らかになってくる」ものとなっているそうです。
(As required of all public-opinion polling in China, either the survey or the surveyors must be approved by the government, and some topics that Westerners might have liked to see addressed directly, such as censorship, were not. But a close reading of the results and findings highlights the Chinese perspective on some sensitive issues.)
詳細はこちらから。
Most Chinese Say They Approve of Government Internet Control
http://www.pewinternet.org/PPF/r/246/report_display.asp
3/26/2008
「慎重を期する」らしいので一部を取り出すのもどうかという感じですし、しかも子どもの安全を守る話と、政府情報や言論の自由などの話が混在して語られているので、注意する必要はありますが・・・、でも取り出してみると。
まずネットに対する捉え方としては、
- この4年でオンラインコンテンツを信頼できると思っている人は全体で52%から26%に減少している。ネットユーザは30%が信頼できるとし、非ユーザは18%が信頼できると回答している。
- どのようなコンテンツが信頼できるかについては、政府からの情報が圧倒的に支持され、以下メディアからの情報(46%)、検索エンジンの結果(28%)、掲示板や広告(11%)、個人ウェブサイトからの情報(4%)、チャットの書き込み(3%)となっている。
- 93%のネットユーザが、ネットコンテンツは子供には不適切と考えている。
- ネット利用の悪影響として、中毒になる(61%)、ポルノ情報に影響される(61%)、悪友を作りやすい(43%)、個人的情報が危険にさらされる(42%)などとなっており、非ユーザほどこれらに対する懸念を強く持っている。
となっているそうです。
またそれに対する解決策については、
- 84%がネットは統制・管理されるべきであると考えており、この数値はこの数年ほとんど変わっていない。ただしこれについてはネットに対するネガティブな報道の影響も考慮する必要がある。
- 統制されるべきネットコンテンツとしては、ポルノ(87%)、暴力(86%)、スパムやジャンクメール(83%)、広告(66%)、個人に対する誹謗中傷(64%)、チャット(26%)などとなっている。政治(politics)に関する情報は2005年に8%から41%に増大している。
- ネットの統制・管理に責任を担うべきなのは、政府(85%)、ネット関連会社(79%)、親(68%)、学校(64%)、ネットカフェ(59%)である。
となっているそうです。
これに続いて、なぜ中国人がネットに対して否定的な考え方を持っているのか、なぜ政府が統制するべきと考えているのかなどについて考察しています。報道の影響が大きいとみているようです。
全体的に中国の情報政策に否定的な論調なのは、米国の他のレポート変わりません。
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