ピッツバーグにいて、アメリカ人というのは本当によく読みよくしゃべる人たちだなぁと時々感じますが、活字の利用度に関する調査で、ピッツバーグは今年もランキングの上位(13位)にランクインしていました。
詳細はこちらから。
America's Most Literate Cities 2008
http://www.ccsu.edu/AMLC08/overview.htm
この調査は、セントラルコネチカット州立大学のJohn W. Miller博士が毎年、人口25万以上の都市を対象に行っている調査で、書店、教育水準、インターネット、図書館、新聞、出版の6つの分野の統計データから導き出しています。2008年版では71市が対象となっています。またそれぞれの指標は、それぞれ単位人口あたりの以下の数値に基づいています。
- 書店:小売書店軒数、古本屋軒数、全米小売書店協会の会員数
- 教育水準:高卒以上の人口、大卒以上の人口
- インターネット:ネットでの書籍購入件数、市の新聞サイトのユニークユーザ数およびページビュー件数
- 図書館:図書館(建物としての)件数、所蔵数、貸出数、専門職数
- 新聞:日刊紙発行部数、日曜版発行部数
- 出版:人口10万あたり発行部数2500以上の雑誌出版社数、人口10万あたり発行部数500以上の雑誌数
総合ランキングでは、毎年争っているミネアポリスとシアトルが同率首位、続いてワシントンD.C.、セントポール、サンフランシスコ、アトランタ、デンバーなどが入り、ピッツバーグは12位、なにかとライバルのクリーブランドは13位となっています。
図書館があれば本も新聞も売れる(?)
新聞の発行部数が減ってきているのはインターネットで新聞が読めるようになったからだ、とか、無料で本を貸し出す図書館があるから本が売れない、とか、日本でもよく聞かれる言説が米国でも聞かれます。これらについてミラー氏は、この調査においては、インターネットと新聞、書店と図書館の指標において正の相関関係が確認されることから、「これらの社会通念は誤りである」("And in all cases, the conventional wisdom is wrong.")とコメントしています。
相関関係があるだけなので、「良い図書館がたくさんあってインターネットサービスも充実していれば本も新聞も売れる」とは必ずしもいえないかもしれませんが、米国の図書館がどんどんサービスを充実させるのには十分な理由になりそうです。
図書館の指標でのトップはクリーブランド
図書館の指標だけを抜き出してみると、トップはオハイオ州クリーブランドで、ピッツバーグは10位になります。クリーブランドは教育水準の指標において68位で下から3番目、それに対して図書館がトップと、とてもバランスがいびつな感じがします。この2つの市をレーダーチャートにすると、なんとなく形が似ています。やっぱりなにかとライバル・・・。
参考:
米国で最もリテラシーの高い/図書館資源が充実した都市は?(2007年版、カレントアウェアネス-Rより)
http://current.ndl.go.jp/node/7083
No comments:
Post a Comment