常々、日本人のインターネット情報を信用せずに深読みする能力はすごいなと思っているのですが(というか、そうならざるをえないほど根拠のない風説だらけで進化を遂げつつあるのだと思いますが)、OCLCから、ネットワーク世界の共有、プライバシー、信用に関して多国間比較を行い、その調査結果を公表しています。調査は、カナダ、フランス、ドイツ、英国、米国、そして日本の6各国の一般市民を対象に行われ、さらに図書館サービスの課題を明らかにする目的から、米国の382人の図書館長を対象にした調査も行っています。
インターネットにおける公私に対する各国市民の認識の差を観察できる点ももちろん面白いですが、私としては匿名性に関する日本の特徴が興味深いです。やっぱりか!という感じで。
詳細はこちらから。
Sharing, Privacy and Trust in Our Networked World
http://www.oclc.org/reports/sharing/default.htm
匿名性についての数値が現れるのは、第3章“Privacy, Security and Trust”の14ページで、ソーシャルネットワークサイトでの匿名性、ソーシャルメディアサイトでの匿名性、図書館での匿名性などについて、各国市民の何パーセントが保持したいと思っているのかを示しています。
米国と日本だけを取り上げると、
ソーシャルネットワークサイトでの匿名性
米国:30%、日本:53%
ソーシャルメディアサイトでの匿名性
米国:40%、日本:59%
図書館での匿名性
米国:38%、日本:20%
となっており、対象的です。私生活では何かと世間には隠し事をしたい日本人は、こと図書館に向かうとプライバシーなど気にしない、というのは、図書館にどんな示唆を与えてくれるのでしょう。分析担当者もこれは興味深かったらしく、たった20%なんよ!(“The Japanese respondents are significantly less likely to agree they prefer to remain anonymous with respect to using the library (in person or online), at just 20%.”)とコメントしています。
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2008/12/04
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